こんにちは、ネロリです(^^)
いきなりですが、私は昔から何かを説明するというのが得意ではありません。
今日あった出来事や関心のある話題を相手に伝えたいのに、言葉が出てこなかったり、出たとしてもその言葉をその後にうまく繋げることがなかなか出来ないのです。
このブログを読んでくださった方なら、何となくおわかり頂けるかもしれませんが・・・(^^;)
なので、言いたいことをうまく伝えられる方がとても羨ましく、特に言葉選びが上手な方は素敵だなーといつも思っています。
テレビの司会者やコメンテーターの方などに対して、特にそう思うことが多いのですが、先日読んだコミックエッセイもまさに同じように感じたので、少しご紹介したいと思います。
永田カビさんの「すごく贅沢な虚無」という表現にしっくり来た
永田カビさんとは、『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレボ』という本の著者です。
こちらの本、かなり有名だったみたいですが、私はつい最近知りました。
タイトルが強烈で、一度目にしただけでずっと頭の中に残っていました・・・。笑
「すごく贅沢な虚無」という言葉は、2作目である『一人交換日記』の中で書かれていたのですが、私自身、過去の自分の状態にこの言葉がしっくり当てはまり、初めて読んだ時に妙に納得したのを覚えています。
永田さんは、ご自身が幼少の頃のお年玉やお祝いなどのまとまったお金が入った口座をご両親から受け取り、そのお金でウイークリーマンションに入居したり、友達と飲みに出かけたりして、ずっと自分がやりたかった一人暮らしや友達と遊ぶということを実現しました。
そんな憧れていたことを一通りやってみた感想として、「すごく贅沢な虚無」と表現されていたのです。
やりたかったことをどんどん実現していったのに、なぜ「楽しかった!」とか「満たされた!」という感想ではないのでしょうか。
それは・・・
本当は自分で貯金したお金で一人暮らしをしたかった永田さんですが、それが出来ないまま貯金を使い切ってしまったことがずっと尾を引いていたそうで、自分で稼いだものではないお金でそれらを実現した結果、ご自身の心情を表現したのがこの言葉だったわけです。
自分が稼いだお金で自分がやりたかったことを実現してこそ、「楽しかった!」とか「満たされた!」という気持ちが心の底から湧き上がってくるのかもしれません。
虚無とは「空っぽ」などといった意味で、お金をいくらかけても心が満たされない空虚な状態を一言で表したのが「すごく贅沢な虚無」だったんです。
過去の自分も「すごく贅沢な虚無」を感じていた
私自身過去のある一定の期間、著者の永田さんと少し似た経験をしたことがあるので、この言葉はズキリと胸に刺さります。
はっきり言ってしまうと、自分で稼いだものではないお金で旅行に行ったりコンサートに出かけたりと派手に遊んでいた時期があり、その時常に「自分がやりたいことをやっているから楽しいはずなのに、どこか今のこの状態が現実的じゃない気がする」といった感覚が自分の心の中にありました。
その時は当然ながらこの感覚をうまく言い表すことは出来ずにいましたが、永田さんのこの言葉を見た時、「あの時のあの感覚は、こういうことだったんだ!」とストンと腑に落ちたのです。
やりたいことを実現しているのに現実的に感じられなかった原因は、それらを他人のお金でまかなっていたからだったんだと、この時やっとわかったのでした。
「自分のお金を自分が快適に過ごすために使える人になりたい」
自分が稼いだものではないお金でさまざまなことをまかなった結果「すごく贅沢な虚無」を感じた永田さんは、その後このように書かれています。
自分のお金を自分が快適に過ごすために使える人になりたい。
この言葉も、読んだ時に心に沁みました。
シンプルだけど、もしかしたら当たり前なのかもしれないけど、とても大切で常に意識しておきたいことだなと思いました。
私もあの時のような虚無はもう感じずに生きていきたいです。
目に見えないものを言葉や文字として可視化している本
本には他にもさまざまな出来事があったり、その時その時の永田さんの心情などが細かく書かれています。
感じたことや考えていることなど、目に見えないものを言葉や文字にしてしっかり可視化されているので、とってもわかりやすいですし共感する部分が多い本だと思います。
永田カビさんは、表現や言葉選びに長けている作家さんなんだなとしみじみ感じた本です。
冒頭で書いたように、私は物事の説明や言い表すなどといったことがなかなか出来ないので、もちろん本の内容も濃くて読み応えがありますが、的確にわかりやすい言葉で言い表しているところが、私は本当に羨ましく感じました。
現在、永田カビさんの著書は『一人交換日記』の続編である『一人交換日記2』と合わせて3冊発行されています。
興味がありましたら、ぜひ読んでみてください。(^^)